美幌町も最近は少しずつ暖かい日が増えてきました。と言っても、2月に入って気温がプラスになったのは8日間、
最低気温がマイナス20度を下回る日が4日間、一般的に考えるとまだまだ寒い冬の中です。
ゆめちからは今月も雪の下でお休み中。
今回は、ちょっと趣向を替えて、北海道における小麦生産の現状についてご紹介します。
東京23区の倍の面積で栽培される北海道の小麦
北海道は国内最大の小麦生産地です。作付面積は平成27年(2015年)頃から約12万ヘクタールで推移し
国内総面積の約6割、生産量は約68万トンで国内生産量の約7割を占めています。
ちなみに12万ヘクタールというのは1200平方キロメートルなので、東京23区のおよそ倍くらいの広さです。
北海道の中で見てみると、一番多く小麦を作っているのは十勝地方です。
その生産量は令和元年産で25万2600トン。次がオホーツク地方で、19万1700トン。
空知地方が9万1100トンと続きます。美幌町が含まれているオホーツク地方、実はかなりの大農業地帯なんです。
どんどん広がるゆめちから栽培
さて、みなさんが研究しているゆめちからについてです。
すでに皆さんご存知かもしれませんが、ゆめちからは平成21年(2009年)に北海道で優良品種に認定されています。
作付面積は2011年まではあまり広がっていませんが、そこから急速に広がっていきます。
2012年産では約2000ヘクタール、2013年産では約8000ヘクタール、2014年産では12000ヘクタールを超えています。
そこから現在までは年ごとに増減してはいますがほぼ横ばいで推移しています。
ゆめちからは、パンの材料になる強力系の小麦であることや病気に強いこと、
単位面積あたりの収量が良いこと等が作付面積増加につながっています。
実際にオホーツクの畑を見てみると、ゆめちからは他の秋まき小麦より背丈が低く、
他の畑が軒並み倒伏してしまっているような状況でも、元気に立っている光景をよく目にします。
美幌町の農家さんにも好評で、このブログで観察している畑を所有する農家さんも、
今回の小麦からは全てゆめちからの栽培に切り替えています。
農業は自然との戦い
大規模な栽培を行っている北海道の小麦、その収穫量は天候に大きく左右されます。
平成27年は豊作で73万1000トン、平成28年、平成30年は不作でそれぞれ52万4300トン、
47万1100トンといったように、大きく変動する作物なのです。
天候の影響はどうしても出てしまいますが、どんな天候であっても安定して収穫できるように、
農家さんは日々、天候と小麦の様子とに目を光らせているのです。
ゆめちからが完全に雪の下にいる今月は、北海道の小麦事情について紹介しました。
来月の末ごろには一冬超えた小麦の姿をお伝えできると思いますので、楽しみにしていてください。
(参考:北海道の畑作をめぐる情勢 北海道農政部生産振興局農産振興課 令和2年11月、国産小麦の現状と今後の課題〜需要拡大の可能性とその方向性〜 農林水産政策研究所 吉田行郷)
ちなみに、この時期の畑には動物の足跡が見られるのがちょっとした楽しみです。
この写真の足跡はなんの動物かわかりますか?ヒントは耳が長くてぴょんぴょん跳ねる可愛い動物です。