こんにちは、北海道美幌町「さいこうファーム」の吉田です。プログラム参加校のみなさんの
ブログを拝見すると、中部地方ではすでにゆめちからの収穫を始めているようですね。
北海道オホーツク地方の美幌町では、5月初旬に起生期に入り、5月末には出穂期に突入しました。
<5月のゆめちからの様子>
先月まではぺたんと地べたに広がっていたゆめちから、今月はぐんぐんと上に伸びています。
この時期の小麦畑は日毎に様子が変わってくるので、農道を車で走りながら、
辺りを見回すと、小麦の変化を感じることができとても楽しいです。
5月31日、ふさふさと生える小麦の中にしゃがみこみ草丈を測ってみると21〜22cm。
長さだけを比べると先月(https://www.yumechikara.com/blog/?p=8386)と2〜3cmくらいしか伸びていませんが、茎がぐぐっと伸びている分、
見た目には大きな違いを感じます。先月とは違う畑に来てしまったかのようです。
茎の先にはすでにのげのついた穂も姿をあらわしています。実もぎっしり詰まっていて、いい小麦が穫れそうです。
▲ゆめちからの先端には立派な穂がついています
<実際の有効分げつ数は?>
4月のブログでは、北海道網走農業改良普及センターの荒木さんによる有効分げつ数についての研究を紹介しました(https://www.yumechikara.com/blog/?p=8386)。
荒木さんの研究では越冬前の分げつのうち80%が最終的に穂を形成すること、
越冬後の分げつは有効な穂ができないことが報告されていました。
実際に、美幌のゆめちからで調べてみると、5月31日時点で穂がついた分げつ数はだいたい5,6本。
雪に閉ざされる前の12月の分げつ数は6〜9(https://www.yumechikara.com/blog/?p=8148)、
その80%だと5〜7本となります。美幌町では、確かに荒木さんの研究で示されていたものに近い数字になっているようです。
雪に閉ざされることのないゆめちから栽培研究プログラム参加校のみなさんのゆめちからでは、
越冬前の分げつ数と実際に穂がついた分げつ数の関係はどうなっていますか?北海道とは違う結果になっていると面白いですね。
▲1株ごとに5,6本の穂がついています。
6月に入ると美幌のゆめちからはさらに大きく生長していくはずです。
この時期の小麦畑は風が吹くと海のようにさざめいてとても美しいんです。
次回はそんな小麦畑の様子をお伝えしますね。