こんにちは、さいこうファームの吉田です。北海道の美幌町はかなり寒くなってきました。
11月に入ってからの最低気温は連日氷点下、最高気温が10℃に満たない日も増えてきています。
<ゆめちからの成長の様子>
今回の観察は11月1日に行いました。
前回の観察から約半月の間、ゆめちからはすくすくと成長しています。
前回ははっきりと見えていた畝間も草丈が伸び、分げつが進んだことで、ほぼ埋まってきています。
▲畑が緑で埋まりました。写真中央に見える二本の筋は防除(農薬散布)の際にトラクターが走る通路の部分です。防除畝と呼んでます
畑からゆめちからを3本抜いて測ってみると、それぞれ草丈は15cm、17.5cm、18cm、ぶんげつは4本、8本、6本でした。
この半月で確実に成長していますね。特に分げつ数の増加は目覚ましいです。
▲一個体ずつみてもかなりたくましくなってきました
<越冬前の小麦の低温馴化>
美幌町は12月に入ると、平均気温も氷点下になります。いよいよ冬の到来です、小麦も越冬期に入ります。
最終的には雪に覆われて、地表面より保温されるとはいえ、ときにはマイナス20℃以下にもなる美幌町の冬を耐え抜けるなんて、小麦はすごいですよね。
冬を超えて栽培する小麦のような冬作物は、越冬するための対凍性をもつことが知られています。
小麦の場合、4℃程度の低温に2週間ほど晒されると十分な対凍性を獲得できるそうです。
それと同時に、耐病性、休眠性等の形質も獲得します。その引き金となるのは遺伝子発現の変化に起因していることが分かっているんですよ。
(参考:今井亮三(2019)植物の低温耐性獲得機構に関する研究 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscrp/54/1/54_9/_pdf)
11月前半の美幌町の平均気温は4℃前後。ゆめちからは今まさに細胞内を変化させて冬に突入する準備をしているんですね。